物語
20年以上助監督を務めてきた手条順也は、ようやく念願の初監督作品を完成させた。だが喜びも束の間、主演俳優の光寺篤が映画のスポンサーの社長令嬢とW不倫のスキャンダルを起こし、映画はお蔵入りになってしまう。絶望した手条は、反社から買った拳銃でプロデューサーの須賀山忍に発砲し、二百万円を奪って逃げる。
手条は長年コンビを組んできた弟分の助監督・池飛雄馬に説得され、自首することにするが、その前に子供の頃通っていた横浜の映画館に立ち寄る。そこにはかつて手条に映画の楽しみ方を教えてくれた支配人の東方紀明がいた。手条の胸中に渦巻く、映画への愛と憎悪の行く末は-